Cheb Mami / Prince Of Rai (LP)

Triple Earth | TERRA 105 | UK | 1988 | M: VG+ / VG+ | JK: VG


A1: Dertfik Confiance (Nakara)


A2: Ralia Mahboubit Galbi
A3: Ana Mazel


B1: Lella Rani Ensaaf El Mektoub
B2: Tayo Tayo Adiani
B3: Douni El Bladi




Cheb Mami が88年に発表したアルバム。アルジェリア北西部 Saida 出身のライ歌手で、本名は Mohamed Khelifati。若くして頭角を現し、“Prince of Raï” の呼び名でも知られる存在です。ライがアルジェリアのローカルな大衆音楽から、ヨーロッパやアメリカのワールド・ミュージック市場へ広がっていく時期の空気を強く持った1枚。Cheb Mami の魅力は、やはり声のしなやかさ。高く伸びる節回しに若さゆえの鋭さがありながら、旋律の細かな揺れで感情を運んでいくヴォーカリゼーション。土着的なリズムとシンセ、ドラムマシン、エレクトリックな音色が並ぶアレンジも、80年代後半らしい少し硬い質感を残していて、そこが今聴くとむしろ良い味になっています。

ライが持つポップな開放感に比べると、本作の Cheb Mami はもう少し線が細く、甘さと影が同居しています。ダンスミュージックとしてのグルーヴもありつつ、歌の中心には移民文化、都市の夜、恋愛、郷愁がにじむような湿度がある。アラブ歌謡の旋律感と、80年代の電子化されたビートがぶつからずに並んでいるところも面白く、ライがまだ完全にグローバルポップへ整えられる前の、生々しい中間地点として聴けます。

派手なクロスオーヴァー作品というより、ライの熱とポップ化の入口がそのまま刻まれたアルバム。声の強さ、リズムの粗さ、シンセの時代感が一体になっていて、80年代後半のワールドミュージックとしての独特の存在感があります。Cheb Mami の国際的な評価へつながる流れを知る上でも、ライの変化を音で感じられる好内容です。UK盤。


Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリパチノイズ
Include: ---
型番 SMS-08729
販売価格
2,800円(税込)
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