Trio Records | PAP-9214 | JPN | 1980 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Mucarabu 8:38
A2: American Tango 12:10
B1: Spring 80 7:20
B2: Maracaibo Cornpone 16:37
ジョージ大塚を中心とするジャズフュージョンバンド Maracaibo が80年に Trio Records から発表した唯一作。ジョージ大塚のドラムを軸に、山口真文、松木恒秀、桜井郁雄、関根敏行、入江宏ら国内ジャズ/フュージョンの実力派に加え、ブラジルの打楽器奏者 Nana Vasconcelos も参加。全4曲中3曲が Miroslav Vitous 作曲の楽曲を取り上げた、和フュージョンの中でも通好みの立ち位置にある1枚です。
80年前後の日本のフュージョンらしい演奏力と抜けの良さを持ちながら、音の質感が単純な都会派へ流れないところが面白いところ。ラテン由来のグループ名を冠しつつ、内容は明るく軽快なトロピカルフュージョンというより、ジャズロック、コンテンポラリージャズ、ブラジリアンな打楽器感覚が交差する、少し陰影のあるサウンド。Nana Vasconcelos の参加も効いていて、リズムの奥に乾いた土っぽさと、空間を揺らすようなパーカッシヴな気配が加わっています。
ジョージ大塚のドラムは前に出すぎずとも芯が太く、全体のグルーヴをしっかり支える存在。そこに山口真文のサックスが鋭さと浮遊感を加え、松木恒秀のギターが都会的でありながら少し乾いたニュアンスを残します。鍵盤やシンセの質感も80年らしいクリアさを持ちながら、過剰にポップへ寄らず、演奏の緊張感を保っているのが魅力です。日本のフュージョンが商業的に広がっていく時代の中で、ジャズ側の地力とクロスオーヴァーの感覚がしっかり噛み合った1枚。Nana Vasconcelos の存在によって、単なる和フュージョンではなく、ブラジル/欧州ジャズの質感までうっすら射程に入るところも面白いです。派手すぎず、でも耳の深いところに残る良質盤。日本盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリパチノイズ
Include: 日本語ライナー