ECM Records | ECM 1455 | GER | 1991 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Monica's Having A Baby 5:58
A2: Aila / 35 Basic 7:17
A3: Temporarily 9:39
A4: Raining Violets 5:02
B1: For MC 3:27
B2: Dance Of The Spider People 4:22
B3: Ten Letters Of Love 4:51
B4: Hal The Weenie 7:33
B5: Linda's Rock Vamp 4:04
B6: Mars Theme 9:47
米ミュージシャン Hal Russell 率いる Hal Russell NRG Ensemble が91年に ECM から発表した作品。フィンランドの Tampere Jazz Happening とスイスでのライヴ録音をまとめた作品で、Hal Russell 晩年のバンドが持っていた熱量が、そのまま盤に刻まれています。
Hal Russell はサックス、トランペット、ヴィブラフォン、ドラムなどを持ち替える人ですが、その多楽器ぶりは器用さのためではなく、演奏の流れを次々に変えるためにあります。NRG Ensemble の音楽はフリージャズを土台にしながら、ロックの荒さ、マーチのようなユーモア、シカゴらしいざらついたブルース感覚を一気に巻き込んでいく混沌っぷり。難しい顔をした即興ではなく、笑いながら崖ギリギリを走っているような危なさがあります。
このライヴ盤では、そのバンドの切り替えの速さがよく出ています。まとまったテーマが出たかと思えば、すぐに管楽器が叫びだし、リズムが崩れ、また別のリフへ戻ってくる。Mars Williams、Ken Vandermark、Brian Sandstrom、Steve Hunt らの演奏も、Hal Russell の混沌をただ支えるのではなく、全員でさらに火を足していくかのようです。それでも散漫にならないのは、曲の根に強いリズム感と明るい乱暴さがあるからだと思います。
ECM 作品でありながら、よくある透明感や静けさとはかなり違います。録音は澄んでいますが、鳴っている音はもっと汗っぽく、騒がしく、いたずらに元気です。フリージャズを重たい思想としてではなく、生きたバンドの運動として鳴らした1枚。Hal Russell の人柄まで音になったような、荒くて楽しい、そしてかなり強いライヴ録音です。ドイツ盤。
Sleeve: 薄くスレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ライナー