Polydor | 2380 023 | DNK | 1980 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: City Rambling Boy 3:40
A2: Break It Up 5:15
A3: Rock'n'Roll Man 4:10
A4: A Theme For Loners & Lovers 2:40
A5: Since You've Been Gone 4:20
B1: Fortune & Fame 3:15
B2: Late Night Woman Blues 5:30
B3: Alone 5:30
B4: Deep Within The Storm 5:10
デンマークの Moirana が74年に Polydor から発表した作品。70年代北欧ロックの中でもフォーク、ジャズ、サイケデリック、プログレッシヴな感覚がほどよく混ざった1枚です。派手な構成で押す作品ではなく、曲ごとに少しずつ表情を変えながら、独特の湿り気を持ったバンドサウンドを作りあげます。
まず耳に残るのは、歌と演奏の距離の近さ。ヴォーカルは強く歌い上げるのではなく、少し陰りを含んだ声で曲の中に自然に入り込んでいきます。そこへギター、鍵盤、リズム隊が過剰に飾らず寄り添い、時にジャズ寄りの揺れや、サイケデリックな浮遊感を加えていきます。フォークロックとして聴ける親しみやすさはありますが、まっすぐな歌ものには収まらない、細かな仕掛けがあります。
この時期のデンマークのロックには、英米の影響を受けながらも自分たちの気候や言葉の感覚を通して別の質感に変えている作品が数多くあります。Moirana もそのひとつで、ブルースやフォークの骨格を借りながら、音はどこか淡く内向きです。ギターが前へ出る場面でも荒々しさだけにはならず、曲全体に薄い霧のような余白が残ります。
名盤然とした強い主張よりも、聴き進めるほど少しずつ輪郭が見えてくるタイプの作品です。70年代デンマークのローカルなロックが持っていた静かな個性、手作りの温度、ジャズやサイケに開いた耳が、無理なく同居しているように聴こえます。聴いた後にじわっと残る1枚です。デンマーク盤。
Sleeve: スレ/クスミ/背表紙&天面に小さく破れ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ---