Private Music | 210 045 | EU | 1989 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Off The Coast Of Love 4:29
A2: Women Who Fly 5:06
A3: No Emotion 5:23
A4: Love Is Kind 4:31
A5: Tears 4:31
B1: Skin Diver 5:05
B2: 6th Sense 6:00
B3: Through The Wire 4:41
B4: Interior Voices 4:46
B5: New Desires 5:07
元 Labelle でも知られるヴォーカリスト Nona Hendryx が89年に発表した作品。Tangerine Dreamの Peter Baumann と組み、それまでのファンクロックやダンスミュージックから距離を取り、電子音、パーカッション、声を中心にした、静かでニューエイジな作品へ進んでいます。
ここでの電子音は未来的な装飾というより、感情を直接言葉にしすぎないための膜として使われている感じ。シンセは広く薄く伸び、打楽器は強いビートを作るより声のまわりに細かな動きを与える。Nona endryx のヴォーカルも以前のように力で押すのではなく、低く抑えたり、ささやきに近づいたりしながら、どこかポストパンク的に内側へ向かっているような様相です。
ニューエイジやアンビエントの穏やかさを持っていますが心地よさではなく、人と人の距離、身体への違和感、愛されることへのためらいが、冷たい電子音と生々しい声の間に残っています。技術が人を遠ざける一方で、それでも触れ合おうとする。その矛盾がこの作品の中心な気がします。
80年代末の洗練されたプロダクションを使いながらも、Nona Hendryx は自分を軽く見せる方向には進みませんでした。むしろ音を削り、声の弱さや揺れで痛みまでも表現するヴォーカリゼーション。ファンクやロックの強い女性像とは違う形で、自分の身体と感情を見直した作品です。発表当時よりも、現在のほうがその先進性がよく見える1枚だと思います。EU盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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