Michael William Gilbert / Moving Pictures (LP)

Gibex | 001 | US | 1978 | M: VG+ / VG+ | JK: VG


A1: Moving Pictures Logo 1:50
A2: Ascents 11:58
A3: Unwinding 6:15


B1: Other Voices / Other Rooms 4:25
B2: Steel Clouds 4:15


B3: Winter Light 5:00
B4: Plant Life 3:40
B5: Phase 4:15




Michael William Gilbert が78年に自主レーベル Gibex から発表した作品。Michael William Gilbert は 米コネチカット と ブリュッセル で育ち、Pierre Henry の音楽やインド、アフリカ、日本の音楽に触れたのち、MIT で電気工学を学び、Boston School of Electronic Music や Hampshire College 周辺で電子音楽に関わっていった作曲家/電子音楽家。本作は複数のスタジオと自宅で制作され、シンセサイザー、パーカッション、声、木製フルート、プリペアドピアノ、ギター、テープレコーダーまでを自身で扱った作品です。

電子音楽というとどうしても硬質で無機的なものを想像しがちですが、この盤はかなり人の手触りが残っています。シンセの持続音やテープ処理による抽象的な響きが中心にありながら、木管や打楽器、声の気配が差し込まれることで、音が冷たく閉じていかない印象。実験音楽としての構造はありますが聴き心地は意外と有機的で、電子音と生楽器が少しずつゆっくり混ざり合っていきます。

70年代後半のアメリカ電子音楽らしいアカデミックな背景を持ちながら、内容は現代音楽の難しさだけに寄らないのも特徴のひとつ。ミニマル、アンビエント、民族音楽的な旋律感、テープ音楽のざらつきがゆるやかに重なり、どこか架空の映像音楽のようにも聴こえます。タイトル通り音だけで小さな場面が次々に切り替わっていく印象があり、抽象的なのに妙に視覚的なリアリティがあるのも聴きどころです。

のちのニューエイジやアンビエントにも接続できる透明感はありますが、整えられた癒しの音楽とは少し違います。もっと手探りで、電子音の中に人間的な歌や呼吸を入れようとしている感じ。その不完全な温度が、この作品のいちばん面白いところだと思います。自主制作に近いスケール感と大学電子音楽スタジオ周辺の知性が自然に結びついた、70年代USエレクトロニックの良作です。US盤。


Sleeve: スレ/クスミ/一部にヤケ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ---
型番 SMS-08738
販売価格
14,800円(税込)
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