United Dirter | DPROMBX148 | UK | 2019 | M: VG+ / VG+ / VG+ / VG+ / VG+ / VG+ | 外箱: VG | 限定カラーヴァイナル仕様
A: Untitled
B: Untitled
C: Untitled
D: Untitled
E: Untitled
F: Untitled
Nurse With Wound が2019年に Dirter Promotions から発表した作品。Steven Stapleton を中心とする英国実験音楽のご長寿プロジェクトで、インダストリアル、シュルレアリスム、音響コラージュ、ドローン、サイケデリックな感覚を長く横断してきた存在。本作は500部限定の3LPボックスとしてリリースされています。
タイトル通り“トリップ”という言葉がかなり素直に似合う作品。ただし、派手なサイケデリックロックやビートで持っていくものではなく、長尺の音の流れが、聴き手の時間感覚をゆっくりずらしていくタイプ。全8トラックはいずれも比較的長く、短い曲の集合というより、断続する夢の場面を何度も通過していくような構成になっています。
Nurse With Wound らしい不穏さはありますが、初期の鋭いノイズ・コラージュよりも、ここではもっと煙のように広がる音響が中心。うねるドローン、遠くで鳴る金属音、どこから来たのか分からない声や断片的な響きが、はっきりした輪郭を結ばないまま漂っていく感じ。音が激しく破壊されるというより、空間そのものが少しずつ歪んでいく感覚で、アンビエントとしても聴けますが、決して心地よさだけには着地しません。
面白いのは、実験音楽でありながら聴き手を突き放す硬さよりも、妙な吸引力が勝っているところ。反復や低音の揺れには、サイケデリックミュージックやクラウトロック以降の感覚が多分にあり、長尺に身を預けるほど細部の音が少しずつ見えてきます。NWW の膨大なカタログの中でも、コラージュの奇怪さとドローンの没入感がバランスよく並んだ作品。深夜の部屋で1人で聴くと危険なタイプ。UK盤3枚組ボックスセット、カラーヴァイナル仕様です。
※ 3枚組でタイトルも付いていないので、どの面がAで、とか一切わからないんです。なので試聴は「赤/オレンジ/緑」の順番で収録しました。参考まで。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ブックレット