The Flock / The Flock (LP)

CBS | S 63733 | NTL | 1969 | M: VG+ / VG+ | JK: VG


A1: Introduction 4:50
A2: Clown 7:42


A3: I Am The Tall Tree 5:37
A4: Tired Of Waiting 4:35
B1: Store Bought - Store Thought 7:00


B2: Truth 15:25




米シカゴ出身のジャズロックグループ The Flock が、CBS から69年に発表したデビュー作。編成は Fred Glickstein、Jerry Goodman、Jerry Smith、Ron Karpman、Rick Canoff、Tom Webb、Frank Posa の7人で、ホーン隊に加えてヴァイオリンを大きく前に出したのがこのバンドの特徴です。後に Mahavishnu Orchestra へ進む Jerry Goodman が在籍していたことでも知られ、同時期の Chicago や Blood, Sweat & Tears と並べられつつ、より逸脱したジャズロックとして語られることの多い1枚です。プロデュースは John McClure。

ブラスロックの延長で聴けそうな見た目に反して、実際にはかなり落ち着きのない、雑食で先走った音をしているところが面白い。ギター、ホーン、リズム隊のぶつかり合いだけでも十分に濃いのに、そこへ Jerry Goodman のヴァイオリンが入ることで、サイケデリックな伸び方とジャズ的な緊張感が一気に強まります。歌ものとインストの境界がかなり曖昧で、さらに The Kinks のカヴァーすら、原曲の親しみやすさより、このバンドの混線した熱っぽさのほうが前に出てきます。B面のジャム的に広がる構成の中で、ジャズ、サイケ、ブルース、クラシカルな感触までが無理やり混ざり合っていて、まだフュージョンという言葉が整理され切る前の混沌がそのまま鳴っています。演奏は荒いところもあるのに、その荒さ自体がむしろ魅力で、シカゴの雑多な都市感覚と60年代末の越境志向がごちゃっと封じ込められている感じがあるんですよね。上手くまとまりすぎていないぶん、逆に時代の勢いが強く残っている作品です。

後年の洗練されたフュージョンを期待すると少し違うかもしれませんが、ジャズロックがまだ何にでもなれた時代の面白さを味わうにはかなりいい1枚です。Chicago 的なブラスロックとも、Blood, Sweat & Tears 的な洗練とも少し違う、もっと危うくて尖った混ざり方がある。ヴァイオリン入りジャズロックという看板以上に、ジャンルの境目がまだ溶けたままの1969年らしさがぎっしり詰まった、刺激の強いデビュー盤だと思います。 オランダ盤。


Sleeve: スレ/クスミ/ヤケ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include : ----
型番 SMS-08699
販売価格
2,200円(税込)
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