ECM Records | ECM 1203/04 | GER | 1981 | M: VG+ / VG+ / VG+ / VG+ | JK: VG | ゲートフォールドジャケット | 2枚組
A1: Maracatu 8:21
A2: 10 Amos 7:26
A3: Frevo 8:08
B1: Loro 5:30
B2: Em Familia 21:15
B2a: Sanfona
B2b: Dança Dos Pés
B2c: Eterna
C1: De Repente 16:06
C2: Vale Do Eco 7:43
D1: Cavaquinho 7:57
D2: 12 De Fevereiro 8:05
D3: Carta De Amor 5:05
ブラジルの異才 Egberto Gismonti が、ECM に残した81年作。片面ごとに性格の異なる2つの世界を収めた2枚組。ひとつは Nené、Mauro Senise、Zeca Assumpção らを含む Academia de Danças とのバンドアンサンブル。もうひとつは、自身によるギターソロ。録音も分けられており、アンサンブル篇は Jan Erik Kongshaug、ソロ篇は Martin Wieland が担当しています。編成も録音感も異なるのに、作品全体としては驚くほど自然につながっていて、この時期の Gismonti の広がりと精度がそのまま刻まれた1枚です。
ブラジル音楽という言葉だけでは到底囲いきれないです。Academia de Danças 側では、土着的なリズム感やフレーズのしなやかさが土台にありながら、アンサンブルの組み方はきわめて構築的で、ほとんど室内楽や現代音楽のような緊張感すらあります。静かな場面でも音は止まらず、むしろ不協和や間の取り方の中に力が潜んでいる。A3「Frevo」の一糸乱れぬ運動性や、B1「Loro」の軽やかさ、B2「Em Família」の組曲的な展開も、このバンドが単なるジャズグループではなく、もっと複雑な身体性と知性を備えていることをよく示しています。
そこからギターソロ篇に入ると、今度は Egberto Gismonti の音楽の根がさらに剥き出しになります。長尺のC1「De Repente」に象徴されるように、旋律、反復、倍音、リズムが一本の線として進むのではなく、無数に枝分かれしながら螺旋していく。超絶技巧でありながら見世物にはならず、野性味があるのに洗練され、優雅なのに切迫している。この、本来ならぶつかりそうな要素が平然と混じり合うところに、Gismonti の孤高さがあります。バンドとソロの両面を並べることで、その越境性がむしろくっきり見える。聴き手の既存のジャンル感覚を静かに壊してくる作品です。ドイツ盤オリジナルプレス。
Sleeve: スレ/クスミ/オモテ面にシール剥がし痕
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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