SteepleChase | SCS-1043 | DNK | 1976 | VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Dat Dere 4:46
A2: Baby Man 8:30
A3: All Blues 7:00
B1: Temptation 5:08
B2: Pale Blue 4:25
B3: Free Spirits 5:25
B4: Blues For Timme 5:38
1920年代から活動を始め、スウィング期からビバップ以後までを生き抜いたピアニスト Mary Lou Williams が、デンマーク優良レーベル SteepleChase に残した76年作。編成は Buster Williams (b) と Mickey Roker (dr) を従えたトリオアンサンブル。キャリアの長さを考えると“晩年作”にあたりますが、回顧的な意味合いよりも、その時点の現役感が強く出た1枚として聴いたほうがしっくりきます。
Mary Lou Williams の歴史的な大きさに寄りかからず、演奏そのものがきわめてしなやかで前向き。彼女のピアノは古いジャズの語法を“保存”しているような弾き方ではなく、リズムの置き方も和声の動かし方もずっと柔らかく、しかも反応が速い。Buster Williams の太く安定したベースと Mickey Roker の少し乾いたグルーヴが加わることで、トリオ全体が軽快に前へ進みます。スタンダードや他者曲を含む構成でも単なる解釈集にならず、どこを聴いても Mary Lou Williams という人のタッチと判断がはっきり見えます。ジャズ史上の偉人の作品というより、ベテランがなお現在進行形でスウィングを更新している記録として響きます。
派手な代表作として語られるタイプではなくても、Mary Lou Williams の本質をかなり素直に伝える1枚だと思います。技巧や革新性をことさらに誇示しないのに、演奏の芯はまったく古びていません。長いキャリアを経た人だけが持てる余裕と、まだ音楽の中で考え続けている人の鋭さが同時に入っています。ジャズの歴史を知る人ほど静かにぐっとくる、非常に密度の高いトリオ作品です。デンマーク盤。
Sleeve: スレ/クスミ/ヤケ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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