Toshiba Records | TP-80158 | JPN | 1982 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Recuerdos De La Alhambra 4:51
A2: Drifting Alone 4:00
A3: Dancing On The Beach 4:36
A4: Visions Of You 3:14
A5: One Night Love 4:38
B1: Pictures At An Exhibition 13:37
B2: Concierto De Aranjuez 4:05
B3: Piano Concerto No.1 4:25
B4: Bolero 4:05
70年代から活動する琴奏者 長田清子 が、82年に Toshiba Records から発表したアルバム。全9曲で、クラシック曲の翻案とオリジナルを交えた構成。パーカッションに Pecker、ギターに 丹波博幸、ベースに 三国千晴、キーボードに 植芝理一、ドラムに 鈴木二郎 が参加。フュージョンとして聴ける作品ですが、成り立ちとしては和楽器の現代化をかなり明快に打ち出した作品と言ってよさそうです。
琴を伝統楽器として慎ましく置くのではなく、完全にバンドサウンドの前線へ押し出しているところが聴きどころす。音の芯はたしかに和楽器なのに、響きの処理やリズムの運びはかなり80年代初頭のクロスオーヴァー感覚に近いです。タイトル曲A2「Drifting Alone」の浮遊感、 A3「Dancing On The Beach”」の軽やかなグルーヴ、さらにB面での B1「Pictures At An Exhibition”」や B2「Concierto De Aranjuez」の扱い方からもわかるように、この作品は単なる琴のイージーリスニングではなく、クラシック、フュージョン、和な音色感覚をひとつのポップなフォーマットへ整理し直した1枚です。琴の音がエスニックにもコンテンポラリーにも聴こえるのは、楽器そのものの珍しさよりアレンジ側がその曖昧さをうまく活かしているからだと思います。
和モノやレアグルーヴの文脈で拾われることもある盤ですが、実際にはもう少し広く、80年代の日本で和楽器をどう“いまの音”として鳴らすかを探った作品として見たほうがしっくりきます。伝統色を強調しすぎず、かといって完全に洋楽的なフュージョンへ溶かし切ってもいない。その半端さがむしろ魅力で、琴という楽器に対して固定的なイメージを持っているほど、新鮮に聴こえる1枚です。日本盤。
Sleeve: スレ/クスミ/経年茶シミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: 日本語ライナー