ECM Records | ECM 1258 | GER | 1983 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: The Rapids 8:25
A2: Beacon 2:53
A3: Taos 6:12
A4: Beside A Brook 4:20
B1: Arianna 6:20
B2: There Was No Moon That Night 7:20
B3: Skyline 1:18
B4: Impending Bloom 7:52
Ralph Towner、Collin Walcott、Glen Moore、Paul McCandless の4人による無国制音楽集団 Oregon が、名門 ECM に移って最初の83年作。セルフタイトルの 『Oregon』 で、録音は Tonstudio Bauer、エンジニアは Martin Wieland。長く Vanguard で作品を重ねてきたこのグループが、ECM という場で自分たちの響きをあらためて定着させた1枚と言えます。
いかにも ECM 的な空間の美しさを持ちながら、それだけでは終わりません。たしかに音場は澄んでいて余白も深いのですが、そこで鳴っているものは決して穏やかな装飾ではないんです。冒頭の A1「The Rapids」からすでに躍動するピアノと広がりのあるアンサンブルが前面に出ていて、空気のきれいさよりも内巻くグルーヴが印象に残ります。 A3「Taos」のようなパーカッシブな場面では即興性が鋭く、B4「Impending Bloom”」にあるブラジル的なリズム感も含め、4人だけとは思えないほど音の景色が豊かです。
Oregon というと美しく静かな室内楽的ジャズとして受け取られがちですが、この作品ではそのイメージの奥にある痛みや暗さまでかなりはっきり聴こえてきます。音は良いのに、ただ気持ちよく流れてはいかない。その緊張感があるからこそ抒情も甘くならず、民族音楽的な要素も色味として消費されません。ECM 初期移籍作という節目を抜きにしても、Oregon の本質である構成力、即興性、そしてどこにも属しきらない感触が、高い精度で結晶した1枚だと思います。ドイツ盤オリジナル。
Sleeve: 薄くスレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽度のチリノイズあり
Include: ライナー