Zsaratnok / Holdudvar - Paraselene (New Folk Wave) (LP)

Hungaroton | SLPX 18155 | HNG | 1989 | M: VG+ / VG+ | JK: VG


A1: Eklektika = Eclectica 5:26
A2: Amadeus (Fiamnak) = To My Son Amadeus 7:40


A3: Passzió = Pleasure 4:40
A4: Szívből Jövő Giccses Romantika (Klaudia Wagnernek, Szerelmemnek) = Mush Hearty Romanticism (To My Love, Klaudia Wagner) 5:15


B1: Vámpírok Bálja = Vampires' Ball 4:35
B2: Holdudvar = Paraselene 6:20


B3: Északi Concertino = Northern Concertino 5:56
B4: Szinonimek = Synonyms 6:10


ハンガリーのフォークロックグループ Zsaratnok が、Hungaroton から89年に発表した作品。タイトルに “New Folk Wave” と添えられている通り、基盤にはバルカンや東欧の民俗音楽がありますが単なる伝承再現ではなく、フォーク、ロック、実験音楽、エレクトロニクスの感覚を持ち込んで組み替えた1枚です。Zsarátnok 自体は1980年に結成され、ブルガリア、ギリシャ、トルコ、ルーマニア、セルビアなど周辺地域の音楽や楽器を継続的に掘ってきたグループで、中心人物 Nikola Parov の視点がこの盤でも色濃く出ています。

民俗音楽を現代化する際にありがちな“わかりやすい派手さ”に寄らず、むしろ音の質感や編成の妙でじわじわ新しさを出しているところがこの盤の聴きどころ。変拍子や土着的な旋律はたしかに骨格にあるのですが、響きは重たく閉じず、そこはかとなく浮遊しています。弦や管、打楽器の絡み方には生楽器ならではの手触りがありつつ、そこへ電子音やアレンジの処理が差し込まれることで、伝統音楽の輪郭が少しずつずれて見えてきます。そのずれ方がとても上品で、ニューウェイヴ的な軽さと東欧フォーク特有の節回しが無理なく混ざり合うのです。

いわゆるワールドミュージックとして聴くこともできますが、辺境趣味や資料性よりも、80年代後半のヨーロッパで民俗的な要素をどう現在の音楽へ接続するかという問いにきちんと向き合った作品として見るほうがしっくりきます。東欧フォーク、実験ポップ、ニューウェイヴ周辺を横断して聴く人ほど、この盤の位置の独特さがよくわかるはずです。ハンガリー盤。


Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ライナー
型番 SMS-08659
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