Мелодия | С60 27019 002 | USSR | 1988 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Hingus (V) = Дыхание (V) 6:46
A2: Peegeldused = Отражения 12:03
B1: Lahkumine = Расставание 12:02
B2: OM = ОМ 11:13
露エストニアの作曲家/シンセシスト Sven Grunberg が、プログレッシヴロックグループ Mess での活動を経て88年に発表したソロ作。Sven Grunberg はソ連圏エストニアで早くからシンセサイザーを導入した人物として知られ、70年代の Mess では電子音を用いた前衛的な表現で特異な存在だったようです。その後のソロでは、チベット仏教への関心や瞑想的な志向をより前面に出していきますが、この作品はまさにその方向が濃く結実した1枚です。
ニューエイジやアンビエントという言葉だけでは少し収まりきらないところがこの作品の面白さ。たしかに全体の流れは静かでリズムも前面には出ず、音は大きな呼吸のようにゆっくり広がっていく音像ではありますが、ただ環境に溶けるだけの音楽ではなくシンセやオルガンの持続音、旋律のわずかな揺れ、宗教音楽的な厳かさが重なることで、かなり強い内的な緊張が保たれています。穏やかなのに甘すぎず、神秘的なのに観念だけへ逃げない。その独特の張りつめ方が、この盤を単なるヒーリング作品とは別の立ち位置たらしめています。
クラウトロック以後の電子音楽や80年代アンビエント界隈ではあるのですが、この作品の魅力はもっと東欧的というか、閉じた空気の中で精神性が深く育っていった感じにあります。西側の洗練されたニューエイジ名盤群とは少し違い、音そのものに歴史や土地の「重さ」が残っているからこそ、瞑想音楽として気持ちよく聴けるだけでなく、80年代末の電子音楽がまだ神秘性と実験性を同時に抱えていたことを伝える盤として強く残ります。Sven Grunberg の仕事の中でも、思想、音響、美しさがもっとも無理なく結びついた代表作のひとつです。USSR盤。
Sleeve: スレ/クスミ/リングウェア
Media: 薄くスレ/静音部に薄くチリノイズ
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