Alfa | ALR-28045 | JPN | 1982 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Mid-Manhattan 4:37
A2: Pavane - Pour Une Infunte Defunte 5:32
A3: Transatlantic 5:37
B1: Galactic Funk 6:04
B2: Kauai 3:51
B3: Chandelier 4:27
日本代表フュージョンバンド Casiopea が82年に発表した8作目。野呂一生、向谷実、櫻井哲夫、神保彰という当時の本隊に加え、Lee Ritenour、Don Grusin、Nathan East、Harvey Mason というLAフュージョン側の4人が参加。タイトル通り、日米2組のカルテットが向かい合うような発想で作られた作品で、録音も同年 Alfa スタジオで行われています。カシオペアのディスコグラフィの中でも、海外志向をはっきり形にした1枚です。
とはいえ単に“豪華ゲスト参加”で終わっていないところが肝。初期カシオペア特有のきびきびしたユニゾンや明るい疾走感はちゃんと残っているのに、音の質感はそれまでより少し太く、角も丸い。日本のフュージョンが持っていた精密さに、LA側の余裕や重心の低さが混ざることで演奏全体に独特の伸びが出ています。つまりこの作品ではカシオペアの持ち味である“速さ”や“正確さ”そのものより、グルーヴの置き方やアンサンブルの質感の変化が聴きどころになるわけです。いつものカシオペアより少しアメリカ西海岸寄り、でも完全にそちらへ寄り切るわけでもない。その中間の温度感がかなりいいです。シレンシア的にはA2「Pavane - Pour Une Infunte Défunte」をピック。印象主義派代表 Maurice Ravel のクラシック「亡き王女のためのパヴァーヌ」の気品を壊さずまま、より幻想的に仕上げたカヴァーが◎です。
バンドが自分たちの語法を崩さずに外の血を入れた作品としてはかなり成功している作品。カシオペアを“日本の超絶フュージョン”として聴くだけでなく、80年代初頭の日米フュージョンがどこで接続したかを見る1枚としても面白いです。代表作のど真ん中というより、バンドの器がひと回り広がった瞬間を記録した好作だと思います。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静寂部に軽微なチリパチ
Include: 帯(スレ)/ライナー/楽譜