Amp / Astralmoonbeamprojections (2LP)

Kranky | krank 017 | US | 1997 | M: VG+ / VG+ / VG+ / VG+ | JK: VG | ゲートフォールドスリーヴ


A1: Onehopesinuncertainty 10:59


A2: Shadowfall 2:08
A3: Lightdripglow 8:48
B1: Transmigration 4:08
B2: Interlude 12:02


B3: Stellata 7:10
C1: Shiftime 10:11


C2: Polemic 7:48
C3: Alightfarout 10:11
D: Celestialreturn 19:52


英国のバンド Amp が97年に米レーベル Kranky から発表した2作目。Richard Amp と Karine Charff を中心にしたプロジェクトで、アンビエント、実験音楽、スペースロック、ドローン あたりにまたがる作品ですが、90年代英インディの延長として聴くか、ポストロック周辺の拡張として聴くかで印象がかなり変わるタイプの1枚です。

この作品の面白さは、シューゲイズ以後の“轟音の恍惚”を、バンド的な起伏よりも持続と滲みの方向へ押し広げているところにあります。ギターは壁のように鳴っていても、My Bloody Valentine 的な肉体性やメロディの甘さを前に出すわけではなく、むしろ輪郭をぼかしながら光の層だけを残していきます。そこにドローンや環境音楽的なアイデアが重なることで、曲というより巨大な気圧の変化のような聴き心地になっています。音はかなり大きく、厚く、時に混沌としているのに、不思議と攻撃性より浮遊感を感じるがこの作品の肝。Kranky 周辺のカタログに連なる静かな没入感はすでにあるのですが、のちのアンビエント寄り作品ほど整理されてもいなく、その半端さがむしろ良くて、ロックの残響がまだ十分に残ったまま音響作品へ変質していく途中の手触りがそのまま封じ込められています。

90年代後半のポストロック名盤群の陰に置かれがちな作品ですが、Amp のカタログの中でもかなり重要な分岐点です。バンドが曲を演奏しているという感覚と、音場そのものを作っている感覚がちょうど拮抗していて、その曖昧さが魅力になっています。シューゲイズ、アンビエント、スペースロックのどれかひとつに収めるより、90年代英国地下の音響感覚が一度深く沈み込んだ地点として聴くと、この盤の良さがよく見えてくるかと思います。US盤2枚組。


Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ---
型番 SMS-08580
販売価格
5,200円(税込)
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