Gabriel Yacoub / Elementary Level Of Faith (LP)

Shanachie | 96003 | US | 1987 | M: VG+ / VG+ | JK: VG+

A1: The City 3:39
A2: Séduction 3:32
A3: Papa-Loi, Maman-Loi 4:09
A4: Elle Se Promène (Dans Ma Raison) 2:08
A5: Mon Été Triste 5:38


B1: Bon An, Mal An 4:36


B2: Sleep Come Free Me 4:26
B3: Elle A Des Cheveux D'Or 3:47
B4: Le Tatouage 3:23
B5: Mon Enfant 4:13




70年代フレンチフォークの重要グループ Malicorne を率いたSSW Gabriel Yacoub が、エレクトリックに舵を切った87年作。ハンガリーの Kolinda 周辺でも知られる作曲/マルチ奏者 Iván Lantos と、鍵盤&ヴォーカルの Nikki Matheson がアレンジ面で深く関わり、当時としてはかなりシンセ中心の設計になっています。フォークの人が流行に寄せたというより、民俗的な旋律感を持ったまま、80年代の機材と都市の質感で再構築した感じ。

音像はクリアでリズムはタイトなのに、メロディはしっかり湿っている。ここがこの盤の妙で、冷たく研磨されたシンセの面に、欧州フォーク由来の「うた」の陰影が染みていきます。歌声もまた絶妙で、情緒に溺れず皮肉にも寄りすぎない、奥に知性が見えるダンディズム。結果、エスニックを前面に掲げずとも、どこか異国の輪郭が立ち上がってきます。

そして白眉はB1「Bon An, Mal An」。失恋した男の歌。ミニマル寄りの反復がポリリズムのようにじわじわ噛み合って、気づくと感情の置き場が変わっている。フォークの“歌”を壊さずに、現代音楽の手触りへ橋を架けてしまう曲で、この1曲のために針を落としても損がない名曲です。

80’sシンセポップとして聴けるのに、芯はメロディメイクの強さにある。曲単位ではなくアルバムとしての空気が勝つ作品ですが、B1だけは後世に残ってほしいなって、ほんとに思います。US盤。


Sleeve: シュリンク/スレ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: ---
型番 SMS-08555
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4,200円(税込)
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