Aura | AUL 707 | UK | 1979 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Love's Out To Lunch
A2: Solar Systems
A3: American Sport
A4: A Loss Of Consciousness
A5: Rubber Hunger
B1: The Succubus
B2: Survival
Annette Peacock が79年に発表した1枚。前作『X-Dreams』で見せた鋭いアートロック感覚を残しながら、ここではファンク、ポップ、レゲエ、ジャズをより明快な曲の形へ寄せていっている感じ。実験性を削ったというより、自分の声と言葉を当時のバンドサウンドの中でどう響かせるかを試した作品です。
演奏はかなり滑らか。ベースとドラムは太く跳ね、鍵盤やシンセは曲に明るい色を加え、ところどころに入るスティールパンの響きも軽さを作っています。ただ、その聴きやすさの中で、Annette Peacock の声だけは簡単には馴染まないんです。歌い上げるのではなく言葉を少し突き放すように置いていくため、ポップな演奏の上にも冷めた視線が残ります。
商業的な方向へ近づきながら、完全にはそこへ入っていかないところがこの作品の肝。ファンクやAORに近い手触りはありますが、メロディの運びや歌詞の感覚には、Annette Peacock らしいねじれがある。音は開かれているのに、中心にはどこか孤独で批評的な声が立っています。
それまでの作品のような強い異物感を求めると、少し滑らかに聴こえるかもしれません。ただ、Annette Peacock が自分の実験性を一度ポップの側へ通した作品として見ると、とても興味深い1枚です。時代に寄せた音の中でも、彼女の声は最後まで普通の歌にはならない。そこを知ることに、この盤の価値があります。UK盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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