Atlantic | SD 1560 | US | 1970 | M: VG+ / VG+ | JK: VG | 後発盤
A1: Vibrafinger 6:35
A2: Las Vegas Tango 6:30
A3: Boston Marathon 5:06
B1: Pain In The Heart 4:44
B2: Leroy The Magician 6:08
B3: I Never Loved A Man (The Way I Love You) 5:13
米ヴァイヴ奏者 Gary Burton が70年に Atlantic から発表した作品。録音は1969年、Atlantic Recording Studio。Richard Tee、Jerry Hahn、Eric Gale、Sam Brown、Steve Swallow、Chuck Rainey、Bernard Purdie、Bill Lavorgna という、なかなかに濃いメンツが参加した作品。Gary Burton は60年代からヴァイブラフォンの可能性を広げてきた奏者ですが、本作ではジャズの枠にロックやファンクの感覚をかなり大胆に持ち込んでいます。
後のフュージョンがきれいに整理される前の、ざらっとした実験感の面白い1枚です。Gary Burton のヴァイブは澄んだ響きを持ちながら、バンド全体は意外と太く、エレクトリックギターやエレピ、ファンク寄りのリズムが入ることで、いつものクールな室内楽的イメージから少し外れていきます。特に Bernard Purdie や Chuck Rainey が作るリズムの感触は、ジャズのスウィングとは違うフィジカルさがあり、そこに Gary Burton の透明な音色が乗ることで、軽さと粘りが同時に出ています。
Gil Evans の楽曲やソウルのカバーも含まれ、選曲にも時代の空気がよく出ています。ただし、単なるジャズマンのロック/ソウル接近ではなく、Gary Burton らしい音を整理する方法で、全体は乱暴になりすぎません。歪んだギターや太いリズムの中でも、ヴァイブの響きがすっと抜けてくる。その少し不思議なコントラストが、この作品の魅力です。
70年代フュージョンの完成形というより、その手前でいろいろな要素が混ざり始めた瞬間を記録したような内容です。洗練されきっていない分、音には生々しい手触りがあります。Gary Burton のカタログの中では異色寄りですが、ジャズロック、ファンク、クロスオーヴァーへ向かう時代の気配を感じられる、面白い1枚です。US後発盤。
Sleeve: コーティングスリーヴ/スレ/クスミ/ヤケによる変色
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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