The Tete Montoliu Trio / Tete! (LP)

SteepleChase | SCS 1029 | DNK | 1975 | M: VG+ / VG+ | JK: VG


A1: Giant Steps 6:30


A2: Theme For Ernie 7:12
A3: Body And Soul 9:56


B1: Solar 7:00
B2: I Remember Clifford 8:24


B3: Hot House 7:02


スペイン・バルセロナ出身、盲目のピアニスト Tete Montoliu が 75年にデンマークの SteepleChase から発表したトリオ作。録音は1974年、コペンハーゲンの Rosenberg Studio。ベースに Niels-Henning Orsted Pedersen、ドラムに Albert “Tootie” Heath を迎えた編成で、プロデュースは同レーベルを率いた Nils Winther が手がけています。欧州ジャズの重要ピアニストとして知られる Tete Montoliu が、北欧の名手とアメリカの名ドラマーを相手に残した、70年代SteepleChaseらしい充実したピアノトリオ作品です。

まず演奏の密度が高いのに、重く聴こえないんです。Tete Montoliu のピアノはタッチが明快でフレーズの輪郭もはっきりしていますが、ただ切れ味だけで進む人でもありません。よく歌い、よく転がり、時にブルージーな影も見せながら、曲の中に自然な明暗を作っていく感じ。スペイン出身という背景をことさらに前に出す音楽ではありませんが、アメリカのピアノトリオとは少し違う、硬さと柔らかさの混ざり方があります。

Niels-Henning Orsted Pedersen のベースは非常に反応が早く、低音の支えに留まらず、ピアノと対等に会話していく存在。Albert “Tootie” Heath のドラムは派手に煽るというより、音の間に細かな表情を加えて、トリオ全体をしなやかに動かしていきます。3人とも技術は申し分ないのに見せ場を大きく作りすぎず、演奏の流れの中で自然に力を出しているのがいいです。

70年代の SteepleChase には、アメリカのジャズ語法を欧州録音の澄んだ音場で捉え直した作品が多くありますが、本作もその魅力がよく出た1枚だと思います。スウィング、バップ、バラードの感覚をしっかり持ちながら、録音の空気は乾いていて端正。熱はあるのに過剰に濃くならず、知的なのに冷たくなりすぎない。Tete Montoliu の実力と個性が、トリオという形でまっすぐ伝わる好内容です。デンマーク盤。


Sleeve: スレ/クスミ/ヤケ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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