America Records | AM 6133 | FRA | 1973 | M: VG+ / VG+ | JK: VG | ゲートフォールドスリーヴ
A1: Stella By Starlight 7:45
A2: I Waited For You 3:50
A3: Girl Of My Dreams 5:24
B1: Fiesta Mo-Jo 11:21
B2: Serenity 5:08
米 Dizzy Gillespie が73年にフランスの America Records から発表した作品。録音は1973年、パリにて。Kenny Drew、Niels-Henning Orsted Pedersen、Kenny Clarke を中心に、曲により Johnny Griffin と Humberto Canto が参加しています。ビバップの創始者のひとりとして知られる Dizzy Gillespie ですが、同時にアフロキューバンジャズをジャズの本流へ押し広げた重要人物でもあり、本作にもその感覚が自然に息づいています。
革新者としての Dizzy Gillespie を追うというより、長い時間を通過した名手がよく知った曲の中でどんな表情を見せるかを聴く内容だと思います。若い頃の鋭い爆発力とは違い、ここでの演奏には少し肩の力が抜けた歌い方が感じられます。高音の切れ味やユーモラスな節回しはもちろんそのまま残っていますが、それ以上に印象的なのは、フレーズの置き方や間合いのうまさ。力で押すのではなく、音色とタイミングで場を変えていくところに、キャリア後期ならではの味があります。
Kenny Drew のピアノは端正で余計な装飾を加えすぎず、Dizzy Gillespie のトランペットをしっかり受け止めます。Niels-Henning Orsted Pedersen のベースはよく歌いながらも音の輪郭が明快で、Kenny Clarke のドラムは硬すぎず軽すぎず、全体を自然にスウィングさせています。Johnny Griffin が入る場面では空気が少し熱を帯び、Dizzy Gillespie とのやりとりにもジャズらしい会話の楽しさが出ています。
70年代の Dizzy Gillespie にはファンクやビッグバンド的な作品もありますが、本作はもっとストレートなジャズの語法を軸にしながら、ラテンの感覚が無理なく混ざった1枚です。パリ録音らしい落ち着いた音場と、名手たちの過不足ない演奏。その中で、Dizzy Gillespie が長く育ててきたビバップとアフロキューバンの接点が、肩肘張らずに鳴っているのがいい感じです。歴史上の巨人というより、音楽の楽しさをよく知ったプレイヤーとしての Dizzy Gillespie が伝わる、味わい深い作品です。フランス盤コーティングスリーヴ。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/B面に音に影響のないスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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