Gramavision | 18-8607-1 | GER | 1986 | M: VG+ / VG+ | JK: VG-
A1: Smart Moves
A2: Looking Back
A3: Equinox
B1: Mexico
B2: Secret Shuffle
B3: My Romance
米ベーシスト Harvie Swartz が86年に Gramavision から発表したリーダー作。前年の『Urban Earth』に続く同レーベル作品で、Mike Stern、Ben Aronov、Victor Lewis が引き続き参加し、管楽器には David Sanborn に代わって Charlie Mariano、さらに John Stubblefield が加わっています。John Coltrane「Equinox」やスタンダード「My Romance」も取り上げながら、自身の楽曲を軸にした1枚です。
『Urban Earth』が80年代フュージョン以降の洗練と、ベース奏者らしい歌心を両立させた作品だとすれば、本作はそこからさらにジャズ寄りに重心を戻しつつ、ラテンやブラジリアンな揺れを自然に取り込んだ内容。派手なプロダクションで押すのではなく、各曲のリズムの置き方、ベースの旋律感、管とギターの距離感で聴かせるところにこの盤の良さがあります。Mike Stern はいつもの鋭さを見せながらも過剰に前へ出ず、Charlie Mariano のアルトは硬派なジャズの線を保ちつつ、音全体に少し乾いた熱を加えます。
特にB1「Mexico」に表れるラテン感覚は単なるフュージョン的な味付けではなく、Hervie Swartz のベースがメロディとグルーヴを同時に引き受けることで、曲そのものの芯になっているのが面白いところ。80年代半ばのコンテンポラリージャズらしい整理された響きはありながら、表面だけの都会感に流れず、演奏にはしっかり肉感が残っています。
フュージョン、ポストバップ、ラテンジャズの境目を、ことさらジャンル横断として見せるのではなく、ごく自然なバンドアンサンブルとしてまとめた作品。80年代ジャズの過渡期にある品の良いクロスオーヴァー感と演奏者の地力が混じり合う、Harvie Swartz らしい良作です。ドイツ盤。
Sleeve: スレ/クスミ/裏面に小さく書き込みあり
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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