Wea | WEA 58 450 | GER | 1982 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Petit Nicolas 5:10
A2: Grand Nicolas 5:08
A3: Janet 9:28
B1: September Start 6:17
B2: Goodbye 5:07
B3: Birth Of August 2:54
B4: End Of August 3:13
B5: Presque 0:49
ベルギーのギタリスト Philip Catherine が、1982年に WEA から発表した作品。参加メンバーには Toots Thielemans、Charlie Mariano、Trilok Gurtu、Nicolas Fiszman など名手が名を連ねています。70年代のジャズロックやクロスオーヴァー寄りの時期を経たあと、よりアコースティックで風通しのいい方向へ重心を移した時期の1枚で、Philip Catherine 自身も後年、この時期の数作を「最もパーソナルな作品」と振り返っています。
この盤の良さは、技巧や緊張感を前に出すのではなく、アンサンブルの呼吸そのもので引き込むところにあります。ギターの響きはとても柔らかいのに穏やかなだけではなく、Toots Thielemans のハーモニカや Charlie Mariano のフルートが入ることで、音楽に少し翳りのある色気が差し込まれます。さらに Trilok Gurtu のパーカッションが全体をさりげなく揺らすので、欧州的な抒情と少しだけ越境的な浮遊感が自然に混じり合っています。前作『Babel』のような都会的な広がりとはまた違って、こちらはもっと親密で、晩夏の空気みたいに静かに熱を残すタイプの作品です。
Philip Catherine をジャズギタリストとしてだけ聴くより、旋律と空気の作り手として聴いた方がずっと響くアルバムだと思います。音数を絞った中でこれだけ余韻を残せるのは、この人ならでは。80年代初頭の欧州ジャズに流れていた、硬派すぎず甘すぎない透明感もきれいに入っていて、聴くほどにじわっと効いてくる好盤です。ドイツ盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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