Polydor | 2424 178 | CAN | 1978 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Trinquons Nos Verres 4:18
A2: Ar Wezenn Awaloù 4:31
A3: Henchoú Kuzh = Chemins Invisibles 2:45
A4: Tabud Kemper = Manifestation À Quimper 3:12
A5: Warlec'h Koan = Après-Dîner 2:35
B1: An Try Marrak = Les Trois Chevaliers 5:48
B2: 'Tal An Tan = Face À L'Âtre 5:20
B3: An Nighean Dubh = La Fille Aux Cheveux Noirs 3:10
B4: Slán Chearbhallain = L'Adieu D'O'Carolan 1:13
B5: Inisi Hanternos = Les Îles Du Nord 3:09
ブルターニュ音楽の再興を牽引した Alan Stivell が、78年に発表したスタジオ作。原題は 『Un Dewezh 'Barzh 'Gêr』、フランス語題が 『Journée À La Maison』 で、10作目のオリジナルアルバムにあたります。録音はパリの Studio Aquarium、作品全体としてはそれまでの電化されたケルトロック色をやや引き、アコースティックな編成を基調にした1枚です。参加メンバーには Mark Perru、Jean-Claude Oliver、Claude Nicault、Chris Hayward、Hervé Derrien らが名を連ね、ケルト楽器だけでなくシタールやタンプーラなど東方系の響きも交えながら、かなり親密で自由度の高い音像を作っています。
Alan Stivell 作品にしばしば期待される壮大さや高揚感よりも、もっと手元というか、身近な距離で鳴るような朴訥な音楽になっているところが聴きどころ。タイトルどおり“家で過ごす一日”のような空気があって、伝承曲や即興的な断片がきっちり構築された大作というより、仲間たちとのセッションの延長のように自然に並んでいます。だから聴き心地は穏やかなのに、内容は決して素朴なだけではないんです。アコースティック中心とはいえ、ケルト、東洋、フォーク、室内楽的な感触がゆるやかに混ざり合い、音楽の輪郭はかなり独特。自身もこの作品を、後に控える大きな作品群の前に置かれた“アコースティックな小休止”のような位置で語っていて、その言い方はかなりしっくりきます。
なので、Alan Stivell の代表作群にある決定的な一撃とは少し違いますが、彼の音楽の根にあるものがよく見える1枚だと思います。民族音楽を現代化する旗手としての姿よりも、旋律や響きそのものを愛する音楽家としての姿が前に出ていて、野心より呼吸、主張より手触りが残ります。派手さはないのに妙に印象が深いのは、その親密さの中に、ケルト音楽を更新してきた人ならではの感覚がきちんと滲んでいるから。大作の陰に隠れがちですが、静かに刺さるアルバムです。 カナダ盤。
Sleeve: スレ強め/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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