Gaia Records | 13-9007-1 | US | 1988 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: New Country
A2: What A Heart Feels
A3: Heros
A4: A Little Sweetness
B1: Draw The Line
B2: A House Is Not A Home
B3: I Hope We Meet Again
B4: To Begin Again
米コロラド出身のサックス/フルート奏者 Nelson Rangell が、Gaia Records から88年に発表した初期作。クレジットには Victor Bailey、Tony “Thunder” Smith、Jimi Tunnell らが並び、のちのGRP期に通じる洗練の芽がすでにはっきり見える1枚です。スタイルとしてはスムースジャズに位置づけられる作品ですが、単なるBGM的な整い方ではなく、80年代後半らしい透明なシンセ感と、抜けのいいリズムセクションの上で、Nelson Rangell のサックスがかなり伸びやかに映えるアルバムです。
スムースジャズ特有のなめらかさの中に、どこかバレアリックにも通じる開放感があるのが聴きどころ。強く踊らせるわけではないのにリズムは軽く前へ滑っていくし、シンセやエレピの明るい奥行きが、海沿いの夕方みたいな空気をずっと作っているんです。そこへ Nelson Rangell のサックスが乗ることで、都会的で洗練されているのに妙に風通しのいい感触が生まれるんですよね。いわゆるAOR寄りのスムースジャズとも少し違って、もっと水平線の見える音というか、フロアの熱気よりもリゾートの余白に近い感じがします。その“やわらかく開けた感じ”を拾って聴くと、この盤はかなり魅力的に聴こえます。
スムースジャズとして整理してしまうには少し惜しい1枚だと思います。もちろん耳あたりはとてもいいのですが、ただ滑らかなだけではなく、80年代後半のクロスオーヴァーが持っていた淡い高揚感や、バレアリックに通じる景色の広さまできちんと入っている。サックスが主役なのに押しつけがましくなく、洗練されているのに軽すぎない。その絶妙な中間感覚が、この盤のいちばんいいところだと思います。US盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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