The Mobile Suit Corporation | MOBIL 1 | UK | 1983 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Wings Of The Dawn (Prem Kavita) 3:56
A2: Tomorrow Never Knows 4:01
A3: Third Eye And Tikka T.V. 2:53
A4: Eyes 3:41
A5: Shakti (The Meaning Of Within) 4:04
B1: Ever So Lonely 6:12
B2: You Can't Take Me With You 3:04
B3: And I You 3:28
B4: Kashmir 4:00
B5: Watchers Of The Night 3:47
UKエスニックバンド Monsoon が残した唯一のアルバム。リリースは1983年。中心にいたのは Sheila Chandra、Steve Coe、Martin Smith で、Monsoon は1981年から83年にかけて活動した、初期80年代UKの中でもかなり独特な立ち位置のグループ。インド音楽の旋律感や声のニュアンスを、ニューウェイヴ以後のポップ感覚に無理なく接続した点が特徴です。
とはいえ、いわゆる“エスニックポップ”の珍しさで成立しているわけではないところが肝。たしかにインド由来の要素ははっきりありますが、作品の芯にあるのはむしろ英国ポップとしての構成のうまさで、Sheila Chandra の歌も異国的な色づけにとどまらず、楽曲そのものの重要な重心になっています。Steve Coe と Martin Smith のソングライティングは意外なほど整理されていて、サイケ、ニューウェイヴ、ラガロック、インディアンポップの要素が混ざりながらも、全体はちゃんと1枚のアルバムとして流れていきます。だからこそ、ワールドミュージック的な入口から入ってもいいし、80年代初頭のUKポップの変種として聴いてもきちんとおもしろいんだと思うんです。
収録内容を見ると、その雑食性はかなりはっきりしているんですが、単なる伝統志向ではなく、かなりロンドン的な編集感覚で組まれているのがわかります。サウンド面でも浮遊感と人工感がうまく混ざっていて、当時のポップとして聴いても充分に先鋭的です。
Monsoon はこの1枚だけで終わったグループですが、だからこそこの作品には、未完成さと完成度が同時に入っているような気がします。方向性はかなり明確なのに、まだ定型にはなっていない。その少し危うい混ざり方がすごくいいんです。Sheila Chandra が後にソロでより深く声の表現を掘っていくことを思うと、この作品はその出発点としても重要ですが、同時に、Monsoon というバンドでしか出せなかったポップの強度を持った1枚でもあります。初期80年代の英国作品の中でも、かなり特別な場所にあるアルバムだと思います。UK盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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