Dragon | DRLP 177 | SWE | 1989 | VG+ / VG+ | JK: VG
A1: The Final Touch 3:38
A2: Neverland 6:50
A3: Let's Get Serious 4:07
A4: Wishing Song 4:04
A5: An Apple From The Tree 5:06
B1: Cry For You 3:32
B2: Famous Guy (And His Famous Girl) 4:38
B3: Eve And Mary 3:28
B4: Hole In Your Shoe 4:28
B5: Closing Time At Schubert's 3:36
B6: The Final Touch (Reprise) 0:55
米ミネソタ生まれで、のちにスウェーデンを拠点に活動したピアニスト/作曲家 Steve Dobrogosz と、スウェーデンのシンガー Berit Andersson による89年作。リリースはスウェーデンのレーベル Dragon で、ふたりの共作としては80年代の流れを受けた重要な1枚にあたります。Steve Dobrogosz は後に Radka Toneff との作品でも広く知られますが、この盤ではよりソングライティング寄りの構成の中で、Berit Andersson の明晰な歌声と緊密なデュオ感覚を前面に出しています。
ピアノとヴォーカルを軸にしたごくシンプルな編成感を持ちながら、音楽としては驚くほど平板にならないところのがすごい。Steve Dobrogosz のピアノは、いわゆる伴奏に徹するタイプではなく、和音の置き方や間の作り方で曲そのものの空気を決めていくタイプ。一方の Berit Andersson も、感情を大きく誇張するのではなく、言葉と旋律をすっと通すことで、かえって曲の芯をくっきり見せる歌い方をしています。そのため全体の印象は繊細で親密なのに、甘さへ流れすぎません。北欧ジャズヴォーカルの静かな美しさを持ちつつ、もっとソングアルバムとしての輪郭がはっきりしているのが、この作品の良さです。
歌とピアノの関係を丁寧に深めていく1枚。派手な名盤性で押すタイプではありませんが、だからこそ長く残ります。ジャズヴォーカル、北欧的な透明感、上質なソングライティング、その3つが無理なく重なった作品です。スウェーデン盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: インナー