Epic | EPC 465181 1 | ITA | 1989 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: 8:20
A1a: Ambra
A1b: Waltz D'Ambra
A2: Euphonia 2:38
A3: 3:52
A3a: Emisfero
A3b: Cieli Deserti
A4: L'ultimo Cilegio 3:58
B1: Civiltà Celesti 4:49
B2: Kerygma 3:25
B3: Amphorae 4:30
B4: Danza Urbana 2:24
B5: Spazi Riflessi I E II 3:15
伊ハーピスト Vincenzo Zitello の89年に Epic から発表されたアルバムです。Vincenzo Zitello はイタリアでケルティックハープを広めた先駆的な存在として知られる人で、もともとはフルートやヴィオラも学び、70年代には Franco Battiato 周辺でも活動していました。その流れの中でケルト音楽やハープに深く向かいソロ作品を作っていくのですが、この作品はその初期の歩みの中でも、音の世界がぐっと開けた1枚です。
ハープという楽器に抱く、いわゆる“癒やし”の方向には向かわないところが聴きどころです。ハープの音はたしかに澄んでいますが、ただやさしく包むために鳴っているのではなく旋律の輪郭や空気の流れをつくる芯として置かれています。そこにシンセやアコースティックな響きが重なることで、素朴な民俗色だけでもニューエイジ的な浮遊感だけでもない、もう少し大きめの風景が立ち上がります。静かな作品ではありますが、おだやかに流れていくだけではなくところどころにきちんと広がりや高揚があって、そのバランスがとても美しいんです。曲名からもわかるように、地上の情景というより、もっと天上のほうへ視線が向いた音楽として組まれている印象があります。
さらに“ケルトをイタリアでやる”という珍しさ以上の魅力があります。外側の様式を借りてきただけではなく、ケルティックハープの響きを自分の作曲のことばとして使っているので、異国趣味のアルバムという感じがあまりしません。むしろハープという楽器の透明さを通して、自分の内側にある叙情や精神性を少しずつ形にしているような印象です。そのため、伝統音楽として聴くよりも個人的な作曲作品として向き合ったほうが、この盤のよさが伝わりやすいと思います。イタリア盤。
Sleeve: シュリンク/スレ/経年クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: オリジナルインナースリーヴ(スレ/シワ/小さく抜け)