EM Records | EMC027LP | JPN | 2025 | M: New | JK: New
A1: Tsuyu
A2: Uki
A3: Variation I
A4: Orientation
A5: Variation II
B1: Tsuzure
B2: Shite
B3: Minawa
B4: Soko
B5: Strand
aus こと 福園泰彦 による2025年に発表した、EM Records と FLAU の共同リリースによる作品です。まずはオフィシャルインフォから。
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作曲家/プロデューサー、フクゾノヤスヒコのソロプロジェクト、aus(アウス)のニューアルバム『Eau(オー)』。奥野楽の演奏する箏を全面的にフィーチャーし創作した、ausの魅力的な方向転換といえる美しい作品です。
思慮深く展開する繊細な技巧、展覧会や実験映画のための魅力的なサウンドデザインで、国内外から篤い支持を受けるアウスは、これまでキーボードやエレクトロニックサウンド作品を主に手がけてきました。本作『オー』は、依然としてエレクトロニックサウンドでありながらも、日本の楽器の中で最も特徴的な弦楽器のひとつである箏の音世界を軸に展開する、アウスの魅力的な方向転換といえるアルバムです。繊細でありながら豊かな数々の箏のフレーズと音色は、非常に才能豊かな演奏家、奥野楽(おくの・えでん)が担当。アウスは作品解説の中で、このプロジェクトにおける奥野の演奏とその芸術の重要性を称賛しています。
『オー』収録楽曲は、箏の微妙に変化するアタック、揺らめく響きの音色と、他の楽器の音色のバランスをとるようにデザインされています。箏の繊細な減衰と韻律の柔軟性は、持続的なシンセサイザーの音色と対位法的に構築されたピアノの旋律に包まれ、引き込まれるような底流と、物憂げで流動的な質感を伴う流れるようなアンビエンスを生み出しています。
箏の現代史をみたとき、日本のコンテンポラリー音楽の愛好者は『オー』を聴いて、沢井忠夫がリアライズした吉村弘作曲作「アルマの雲」(1979年)、箏の演奏グループKoto Vortex(コト・ヴォルテックス)が同じく吉村弘の作品を取り上げたアルバム『Koto Vortex I: Works by Hiroshi Yoshimura』(1993年)を思い出すかもしれません。どちらも箏を伝統から引き剥がし、アンビエント〜テクノの文脈に配置しようとした先駆的作品で、それらは『オー』にも影響を与えています。また、諸井誠の『和楽器による空間音楽』といった70年代日本の現代音楽作品も『オー』の影響源となっています。
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中心にあるのは箏ですが和楽器を前面に押し出した作品という感じではなく、弦がふっと空気にほどけていく瞬間や、音のあとに残る気配そのものが大事にされた音場。だから“日本的な雰囲気”を見せるアルバムというより、細い線の音がどう部屋に広がってどう静まっていくかを丁寧に追った1枚として聴こえます。
耳に入ってくるものは少なめなのに、聴いているうちに景色はむしろ深くなっていきます。音が積み上がっていくというより、水面に輪が重なるみたいにひとつ鳴るたびに周囲の見え方が変わっていく感じです。ピアノや電子音も色を足すために置かれているというより、箏のまわりに薄い陰影をつくる役目に近くて、全体としては“きれいなアンビエント”より、もっと手ざわりのある静けさにまとまっています。輪郭をはっきり見せるというより、にじみや余白のほうに重心があるので、聴き終えたあとに印象だけがうっすら残る。その残り方がとても自然な1枚です。日本盤。
複数枚在庫しています。
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