RCA | RCL-8398 | JPN | 1984 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: La Serenor
A2: La Joia
A3: La Calma
A4: La Gaubança
A5: La Frisança
A6: Fantasia Original
B1: Variations Sur "Folia de España" Et Fugue
クラシックギタリスト代表 山下和仁 が84年に RVC から発表した作品。Vicente Asencio の小曲集「内なる想い」、José Viñas の「独創的幻想曲」、そして Manuel Ponce の「スペインのフォリア」の主題による変奏曲とフーガで構成されています。若くして世界的な評価を固めた時期の録音ですが、ここで前に出ているのは単なる超絶技巧ではなく、スペインものの陰影や気配をどう1人のギターで立ち上げるかという、かなり繊細な感覚です。
山下和仁 という名前につきまといがちな“驚異的テクニックの人”という印象だけでは掴みきれないところが聴きどころです。たしかに技巧的な場面も多いのですが、演奏の核にあるのは速さや強さの誇示ではなく、響きの置き方と時間の伸び縮みです。音を埋めるより余白をどう鳴らすかに重心があり、静かな旋律や和声の陰影がとても丁寧に扱われています。進むにつれ、作品の構築性や劇性は増していくのですが、演奏は最後まで力で押し切らず、線の細さと緊張感を保ったまま進んでいきます。そのため、スペイン作品集でありながら情熱や華やかさだけではなく、どこか内省的で張りつめた美しさが強く残ります。
氏のヴィルトゥオーゾぶりを示す1枚であるのはもちろんですが、それ以上にが音楽を“大きく見せる”のではなく、“深く見せる”方向にも非常に優れた奏者だとわかる作品です。初期の代表盤のひとつとして重要なのはもちろん、スペイン・ギター作品集として見ても、華麗さと静けさの両方が高い密度で共存した好盤です。日本盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
Include: 帯(スレ)/ライナー