Editions EG | EGED 34 | UK | 1984 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Geschenk Des Augenblicks (Gift Of The Moment) 4:19
A2: Adieu Quichotte 5:46
A3: Troubadour 5:16
A4: Kleine Blume Irgendwo (Little Flower Somewhere) 2:13
A5: Ohn' Unterlaß (Continuously) 3:50
A6: Gefundene Zeit (Time Regained) 2:00
B1: Sehnsucht Ich Will Dich Lassen (To Be Free Of Yearning) 5:48
B2: Das Sanfte (Mellowness) 3:43
B3: Tag Für Tag (Day By Day) 4:30
B4: Zu Füßen Der Berge Am Ufer Des Sees (At The Foot Of The Mountain By The Lakeside) 6:35
B5: Wurzeln Des Glücks (Roots Of Joy) 3:25
Cluster や Harmonia の活動でクラウトロック以後の地図を描いた Hans-Joachim Roedelius のソロ名義。84年リリース。ピアノを軸に自宅スタジオやロッテルダム、ウィーンで仕上げられた作品。Tjitse Letterie のヴァイオリン、Arjen Uittenbogaard のチェロも加わった編成が、この盤の柔らかな楽想を描いていて、Roedelius のソロ作の中でも電子実験の延長というより、より旋律と室内楽的な響きへ重心を移した1枚です。
静かで、流れも穏やかで、音数も多くない。けれど実際には、背景に溶ける環境音楽というより、ピアノ、ストリングス、控えめな電子音がゆっくり重なりながら、ひとつひとつの旋律の置き方で情緒を立ち上げていく楽曲群。“甘い”“ニューエイジ寄り”と受け取られた面もあるようですが、その甘さは安易な癒やしではなく「ロマン派」的な感傷をあえて剥き出しにしたものに近いです。Cluster 期の抽象性を期待すると肩透かしかもしれませんが、むしろそこで背を向けず聴くと、Roedelius が音響家というより「作曲家」として何を大事にしていたかがよく見えてきます。
クラウトロックの周辺作として聴くとかなり異質ですし、ニューエイジだと少し違う。電子音楽家が静かな旋律作品へ“丸くなった”という話ではなく、70年代の実験を経た人が、その先であえて単純な「美しさ」を選び直した盤として聴くとしっくりきます。派手な転換作ではないけれど、Roedelius の長い仕事の中で、余白、抒情、親密さがもっとも無理なく結びついた代表作のひとつです。UK盤。
Sleeve: スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静寂部に軽微なチリパチ
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