LLE Label | LLE-1008 | JPN | 1984 | M: VG+ / VG+ | JK: VG
A1: Opus 2
A2: Le Chant Par Blaise Cendrars
A3: Junkie's Lament
A4: 疑心暗鬼
B1: Vision I (The Death Of The Bird Of Paradise)
B2: 時間牢に繋がれて
B3: Vision II (The Chuckle Laughter In The Question)
B4: The Resurrection
B5: Vision III (The Secret Treaty Of The Age Of Maitreya)
日本のチェンバー/アヴァン系バンドアンサンブル Lacrymosa のセルフタイトル作。このバンドの核にいるのが Chihiro S こと 斎藤千尋。ベーシスト/マルチ奏者としてだけでなく、音楽誌 Marquee Moon の出版・執筆にも関わった人物で、Lacrymosa はまさに“プレイヤー”と“紹介者/編集者”の両方の視点が混じるプロジェクトとして見えてきます。つまり、単に変わった編成のアヴァンバンドではなく、当時の東京で得られた情報(RIO、チェンバー、現代音楽、民俗要素)を、自分の手で「作品」として組み直した、といいますか。
ロックのドライブで押すというより、アンサンブルの配置と間合いが主役。旋律が前に出る瞬間はあるのに、サビで回収してくれない。その代わり、反復や音色の切り替えで場面がゆっくり入れ替わっていく。チェンバー的な構築感はあるけどクラシックの整然さに寄り切らず、ポストパンク以降の乾いた緊張も混ざるのも聴きどころ。この「冷たいのに血が通ってる」感じが、今聴いても古くならない理由です。
80年代初頭に日本で、チェンバー/RIO的語彙を「自分の日本語」で鳴らしたところが秀逸。斎藤千尋 という存在がいることで、それが偶然の珍品じゃなく、ちゃんと意志と編集感覚を持った作品だと伝わります。日本盤。
Sleeve: シュリンク/スレ/クスミ
Media: 薄くスレ/静音部に軽微なチリノイズ
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