Mandrill / Mandrill Is (LP)

Polydor | PD 5025 | US | 1972 | M: VG+ / VG+ | JK: VG | ゲートフォールドスリーヴ


A1: Ape Is High 5:32


A2: Cohelo 1:50
A3: Git It All 4:30
A4: Children Of The Sun 5:00


A5: I Refuse To Smile 4:05
B1: Universal Rhythms 3:24
B2: Lord Of The Golden Baboon 3:33
B3: Central Park 4:05
B4: Kofijahm 3:25


B5: Here Today Gone Tomorrow 4:30
B6: The Sun Must Go Down 3:17


NY拠点のバンド Mandrill は、70年代初頭のブラックミュージックにおいてファンク、ロック、ジャズ、ラテンを同時に鳴らしていた稀有な存在。72年リリースのセカンドアルバム。まだ方向性を定めきる前の混沌と勢いが、そのまま音に刻み込まれています。

冒頭から雑多で、そして濃い。ファンクの強靭なグルーヴを軸にしながら、ギターはロック的に歪み、ホーンはジャズの語彙で突っ込み、リズムにはラテンやアフロの感触が混ざる。曲ごとに表情は違いますが、どれも「まとめよう」としていないのが逆に強い。演奏はタイトというより前のめりで、うまさよりも熱量が勝っています。

ヴォーカルもソウル的な歌い上げ一辺倒ではなく、シャウトやコーラス、語りが入り混じるスタイル。メッセージ性はありますが説教臭さはなく、音楽そのものがエネルギーとして押し寄せてくる感覚です。後年の洗練された Mandrill を知っているとこの荒さは意外に感じるかもしれませんが、むしろここにしかない魅力だと思います。

当時のファンク作品としては実験色が強く、ロック寄りでもあり、ジャズファンクの文脈でも語れる。そのどれにも完全には収まらないため、長らく評価が定まりにくかった1枚とも言えます。ただ、今聴くと、この越境性こそが時代を先取りしていたと理解できます。ジャンルが固まる前の自由さが、音の隙間から溢れた1枚です。US盤オリジナル。


Sleeve: スレ/クスミ/シワ
Media: 薄くスレ/静音部にごく軽微なチリノイズ
Include: オリジナルインナースリーヴ
型番 SMS-08298
販売価格
3,200円(税込)
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