Transmat | MS-22 | US | 1999 | M: VG+ / VG+ | JK: VG+
A: Signals
B: Smile
虫の背中のようなこのロゴマーク、もうお馴染みですね。デトロイトテクノ初代番長 Derrick May による名門レーベル Transmat のロゴマーク。とはいえ実はオーストラリア出身のアーティスト Philip McGarva による Microworld 名義の99年リリース超名盤。別名義 Play では92年からコンピに参加していたりもしますが、12インチシングルとしてリリースするのはこの作品がデビュー盤。リリース当時はテクノ/ハウスをまたいだどんなフロアでもよく聴く、ちょっとしたヒット曲なんです。
染み入るように静かなシーケンスの「何かが始まる感」に満ちた最高のイントロから、ジンワリすぎるくらいにジンワリと音量を上げてくるビートに油断していたら、いつの間にやらラッシュでとんでもないテンションに巻き込まれてしまう名曲A「Signals」は何度聴いても素晴らしい。かけ方/展開/時間次第で色んな表情が現れます。どハマり系だけど、小さな音でも繊細なサウンドメイクと楽曲のストーリー性を感じることができます。
そして、今回はこのB面「Smile」を実はプッシュしたいんです。タイトルから想像するような多幸感はないのですが、叙情なメロディとクリアな音色に凛とした空気を感じる良曲。ハットのパターンとと残響の切り方、シンセのシーケンスパターンやベースライン、そして各パートの音色が持つ「メロディ」がピッタリ合う丁寧なサウンドメイクが何より◎。性格出ますね、こういうところに。
デトロイトインフルエンスな作品の中でもトップクラスの2曲。前述した丁寧なサウンドメイクは、多分音の良い環境でも「音楽」として鳴り響くことだとおもいます。ダンスミュージックはもちろん「ダンス」な音楽なわけですが、それ以上に「音楽的要素」も多くないと抜きん出ない音楽でもあるんです。
カンパニースリーヴUSオリジナル、盤/スリーヴ共に良好です。試聴は端折ってますが、ぜひ長尺で物語にハマって欲しいです。
Sleeve: 薄くスレ/美品
Media: 極薄くスレ箇所あり/概ね美盤良好