American Clave | AMCL1013 | GER | 1986 | M: VG+ / VG+ | JK: VG+
A1: Tanguedia III
A2: Milonga Del Angel
A3: Concierto Para Quinteto
A4: Milongo Loca
B1: Michelangelo '70
B2: Contrabajissimo
B3: Mumuki
ご存知アルゼンチン・タンゴの作曲家 Astor Piazzolla の五重奏団による86年リリースの自他ともに認める超々名盤。NYの異端 Kip Hanrahan プロデュースによるAmerican Claveレーベルからの1枚。妖しくうねったりヒプノティックなスタッカートのバンドネオン/ジャズを基盤とした黒いリズム/むせび泣くヴァイオリンなどが一体となって、喜怒哀楽や感情・情景・想像・郷愁・人生などすべてを飲み込み、それ以上の霊的な「音魂」を一音に落とし込む強烈すぎる楽曲群。雑踏/ガヤから始まり緊張感を保ったまま展開するA1「Tanguedia III」、奥行きのあるサウンドが層になって展開するドラマティックなA3「Concierto Para Quinteto」、現代音楽の様相をも孕む混沌としたA4「Milongo Loca」、全ての感情に出会うことが出来る（大げさではないです！）B2「Contrabajissimo」など胸が締め付けられる全7曲。ピアソラの生み出すタンゴがなぜに「前衛」といわれたのかが手に取るようにわかり、それにも加えてKip Hanrahanのもつ冷たくも孤独に満ちた音をも飲み込む、ピアソラ集大成的作品。これを聴かずして何を聴くのか。
