Shigeo Tanaka 田中 重雄 / Yumi Kagura 弓神楽

EM Records | EM1154LP | JPN | 1916 | M: New | JK: New

A: Takusa Saimon = 手草祭文 Part 1







B: Takusa Saimon = 手草祭文 Part 2









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民謡探求チーム、俚謡山脈監修。無形民俗文化財に指定された伝説的な音楽「弓神楽(ゆみかぐら)」の初CD/LP化!
(※俚謡山脈は歌舞伎町BE-WAVEで行っているSoi48チームのDJ/ライブ・イベントから派生したユニット)

これはエチオピアの音楽ではない。マニュエル・ゲッチングの「E2-E4」ではない。スピリチュアル・ジャズではない。これは広島県に伝わる日本最古の神楽(かぐら)である。信じられないかもしれないがこれは事実です。本物の「弓」に張った弦を細い竹で叩くことで生み出される不可思議な音色とビート、ミニマルに刻まれる手拍子(※注)、それと関係を持たず浮遊する笛の音、そして恐るべき求心力で全てをコントロールする「声」。本作は旭日單光章を戴かれた宮司である故・田中重雄宮司がアーカイブの目的で吹き込んだ1991年録音にリマスターを施したものである。また、CD版には、弓神楽のただ一人の後継者、田中律子宮司の唱誦をボーナスに収録した。エンタテイメントと神事の境目を越えるこの無比の音楽を、無形民俗文化財の名目で図書館に死蔵させておくわけにはいかない。俚謡山脈とエム・レコードが最大級の敬意と畏れを込めてお届けする作品です。

※手拍子(てびょうし):鉦(かね)/銅拍子(どうびょうし)/摺鉦(すりがね)とも言われる小型のシンバル。二枚一組で使用する。

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「この神楽は、非常に面白くない神楽です。きらびやかに舞うこともないし、華麗な衣装を纏うこともありません。もしこの神楽について知らなければ、つまらん神楽とおっしゃると思います。しかしこの弓神楽を見ようと思えば、日本中何処を廻ってもここ(上下町)しかありません。非常に貴重な神楽です。大変古い神楽です。そして神楽というものの起源と、目的、意味を多分に含んだ神楽です。」 (平成27年5月24日上下町にて、広島民俗学会会長 三村泰臣氏の解説より)

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「揺輪の上においた弓の弦を打ちながら,祭文をとなえ土公(どくう)神を祭り,五穀豊饒と家内安全を祈る神楽である。
最初の弓初めの簡単な行事と,最後の放ち矢の行事とのほかは,正座して祭文を唱えるもので,他地方で演ぜられる公的な神楽ではなく,招かれた農家で,神官が唱誦する私的な神楽である。
祭文は,「土公祭」祭文を主としてえんえんと唱えられるが,託宣を聞くことを目的としているため,終りにおかぐら祭文を置いている。家内にしつらえた小型の幣(へい)をたてた祭場の棚飾りは古風であり,部屋に吊るす切り飾りも巧妙である。また,弓を用いる点に原始信仰の痕跡をとどめ,祭文の唱えられる調子も古調である。」(広島県教育委員会ウェブサイト「広島県の文化財=弓神楽」の解説より)

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・解説:俚謡山脈、田中律子

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なんだか、凄いです。詳しいことは上記のインフォを見てもらうとして、こういう音楽に出会ってしまうと、今自分の聴いている/知っている音楽なんて、本当に全体の1%にも満たないのだろうな、、というのを実感します。覚醒感のある金物、ビリンバウにも似た奏法で演奏される下音としての弦、神秘的にたゆたう笛、神羅万象を表現するかのような声、全てが独立していて、無関係のように寄り添う音の数々。意図するかしないかはわかりませんが、このトランス感はジャンルとしての「トランス」が束になっても敵わないほど。シティ・ポップを「バレアリック」と聴いてしまう現代においての「聴き方の提案」もここまできました。見せ方次第という危うさを含みながらも、音楽の強度には全く関係なし。素晴らしいです。

型番 SMS-02859N
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